覚えておくと良いムスリムキーワード(28)
السلام عليكم و رحمه الله و بركاته
アッサラーム アライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ
アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように
كيف حالك؟
お元気ですか?
بِسْمِ اللهِ الرَّحْمٰنِ الرَّحِيْمِ
ビスミッラーヒル ラハマーニル ラヒーム
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
以前、スンナ派とシーア派についてお話しましたが、「IS」について質問がありました。
今日は「IS」の成り立ちについて簡単にお話しします。
日本でも、TVなどで「IS」という言葉が使われるようになって、彼らたちの行為を耳にするたびに、 「やっぱりイスラム教徒はテロリストだ」 「ISがこれだけしているから、イスラム教は危ない宗教だ」 など思ったりする人も少なくないと思います。
非常に残念なことですが、多くのムスリムたちは、「テロ行為」を認めていません。
そして、ノンムスリム(イスラム教徒ではない人)と同じように法に則って、生活を送っています。
◆スンナ派について
◆シーア派について
ISについて
الدولة الإسلامية في العراق والشام
Al-Dawla al-Islamiya al-Iraq al-Sham
アルーダウラ アルーイスラミーヤ アルーイラーク アルーシャーム
Islamic State of Iraq and the Levant (イラク・レバントのイスラム国)
世界での呼び方
イスラム国
Islamic State (IS)
Islamic State of Iraq and Sham Islami (ISIS)
Shamはシリア(Syria)の異称、シリア周辺の地域を指す歴史的な呼称である。
Dawla al-Islamiya (ダウラ・イスラミーヤ)・アラビア語
DAESH (ダーイシュ)・アラビア語
「Daesh」
アラビア語でISIL(イラク・レバントのイスラム国)を意味する「al-Dawla al-Islamiya al-Iraq al-Sham」の頭文字。
「Daesh」の語の響きは、アラビア語で「踏みつけて破壊する者」といった意味のある「Daes」、あるいは「不和の原因となる者」という意味の「Dahes」をかけています。
NHKのHPでは
「この組織が国家であると受け止められないようにするとともに、イスラム教についての誤解が生まれないように原則として『過激派組織IS=イスラミックステート』とお伝えすることにしました」 と書かれています。
トルコ大使館は、
公式サイトで報道各社あてに「イスラム国」の呼称を使わないよう求める文書を公開した。
「テロ組織に関する報道で誤解が生じない表現の仕方について是非検討いただき、イスラム教徒=悪人を連想させるようなことがないよう配慮いただきたいところです」 とし、「イスラム国」のアラビア語表記での省略形「DAESH(ダーイシュ)」などを使うよう求めていた。
ISはいつ、誰が、どうやって出来た?
2000年頃
ヨルダンのサラフィー・ジハード主義者の、アブー・ムスアブ・ザルカーウィーが、
アフガニスタンで「タウヒードとジハード集団」を立ち上げる。
2003年(イラク戦争)
アフガン戦争後にイラクに接近し、イラク国内で活動を行った。
2004年
アル=カーイダと合流して名称を「イラクの聖戦アル=カーイダ組織」と改めた
(ビンラディンと行動)
2006年1月
名称を「ムジャーヒディーン諮問評議会」と改める
2006年6月
アブー・ムスアブ・ザルカーウィー殺害される
2006年10月
後を継いだアブー・ウマル・バグダーディーが「イラク・イスラーム国」と改称した。
2010年
アブー・ウマル・バグダーディー殺害される
2010年
アブー・バクル・バグダーディーが後を継ぐ
2011年
シリア内戦開始
2012年
シリアに「シャームの民のヌスラ(支援)戦線」を設立
Shamはシリア(Syria)の異称、シリア周辺の地域を指す歴史的な呼称である。
2013年
「イラクとシャームのイスラーム国」の樹立を宣言
★「シャームの民のヌスラ(支援)戦線」
★「アル=カーイダ」の指導者ザワーヒリー
この二つは、合併を拒否
2014年6月29日
イラク・モスルに侵略 「イスラーム国」と改称
カリフ制イスラーム国家の樹立を宣言
ISは、カリフ・バグダーディーへの忠誠を誓い、3-5万人の外国人の傭兵がいる
世界のいろいろなところに支部を置いて、そこから仲間を募って
ジハードの名の下に「テロ」活動を行っている。
「ムスリムはなぜISのような組織を破門しないのか」
これについては、松山洋平先生の 「イスラーム思想を読みとく」(ちくま新書)p38~
に、詳しく書かれていますので、ぜひ読んでみて下さい。
日本人の感覚で考えると、理解できないかもしれませんが、
詳しく書かれていてわかりやすいですし「イスラーム」の思想とは何か?を
知ることも大事だと思います。
イスラ-ムの教えでは、人を殺すことは禁じられています。
罪を犯した者であっても、戦争をしかけられても、できる限り赦すという教えが有り、
また戦争もできる限りギリギリまで話し合いで解決すべきという教えがあります。
そしてあらゆる人たちのもつ宗教観に寛容に応えるように、とされています。
つまり、イスラーム教は博愛と平和の宗教です。
ISのやり方、そのとても偏った思考を、ほとんどのイスラーム教徒たちは同意しません。
本来あるべきイスラ-ムの教えが間違って多くの人に伝わってしまうからです。
1人のムスリマとして、イスラームの正しい教えを守り広めていくと同時に、
ISに巧みに騙されて(洗脳)されて入った人たちが、間違いに気付き、
離れていけるように祈っていきます。
【参考文献】
中田 考 著
イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉 (集英社新書)
松山 洋平 著
Photo: Umayyad Mosque (Damascus, Syria)
さて、今日はここまでにしましょう。
وعليكم السلام و رحمه الله و بركاته
ワッサラームアライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ
アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように。
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