السلام عليكم و رحمه الله و بركاته

アッサラーム アライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ

アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように

كيف حالك؟

お元気ですか？

【注意】こちらのコラムについて、国や文化によっては解釈が異なり、あくまでコラムニスト自身の解釈であって、より深く正しく知りたいと思われた方は、モスクのイマームなどにお尋ねください。

今日は「豚」に関するお話をします。

イスラム教徒は、豚肉を食べません。

では、なぜ豚肉を食べてはいけないのか？

もしかすると、皆さんの周りにいるムスリムたちに尋ねても「神がそれを禁じたから」とか「クルアーンにそう記しされているから」など答えるでしょう。

日本にいると、どうしても豚肉やポークエキスの入ったお菓子や加工品をあちこちでみますし、日本人にとっては身近なものです。

なぜ、豚がイスラムではダメなのか？をクルアーンと合わせて紹介します。

سْمِ اللهِ الرَّحْمٰنِ الرَّحِيْمِ

ビスミッラーヒル ラハマーニル ラヒーム

「慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において」

إِنَّمَا حَرَّمَ عَلَيْكُمُ الْمَيْتَةَ وَالدَّمَ وَلَحْمَ الْخِنزِيرِ وَمَا أُهِلَّ بِهِ لِغَيْرِ اللّهِ فَمَنِ اضْطُرَّ غَيْرَ بَاغٍ وَلاَ عَادٍ فَلا إِثْمَ عَلَيْهِ إِنَّ اللّهَ غَفُورٌ رَّحِيمٌ

(Q 2 : 173)

インナマー ハッラマ アライクム アルマイツァツァ ワッダマ ワラフマ アルヒンゼィーリ ワマー ウヒッラ ビヒ リガイリ アッラーヒ ファメン エッドトッラ ガイラ バーギン ワラー アーディン ファラー イスマ アライヒ インナッラーハ ガフールン ラヒーム

かれがあなたがたに、(食べることを)禁じられるものは、死肉、血、豚肉、およびアッラー以外(の名)で供えられたものである。

だが故意に違反せず、また法を越えず必要に迫られた場合は罪にはならない。

アッラーは寛容にして慈悲深い方であられる。

He has only forbidden to you dead animals, blood, the flesh of swine, and that which has been dedicated to other than Allah . But whoever is forced (by necessity), neither desiring (it) nor transgressing [its limit], there is no sin upon him. Indeed, Allah is Forgiving and Merciful

ー

حُرِّمَتْ عَلَيْكُمُ الْمَيْتَةُ وَالْدَّمُ وَلَحْمُ الْخِنْزِيرِ وَمَا أُهِلَّ لِغَيْرِ اللّهِ بِهِ وَالْمُنْخَنِقَةُ وَالْمَوْقُوذَةُ وَالْمُتَرَدِّيَةُ وَالنَّطِيحَةُ وَمَا أَكَلَ السَّبُعُ إِلاَّ مَا ذَكَّيْتُمْ وَمَا ذُبِحَ عَلَى النُّصُبِ وَأَن تَسْتَقْسِمُواْ بِالأَزْلاَمِ ذَلِكُمْ فِسْقٌ الْيَوْمَ يَئِسَ الَّذِينَ كَفَرُواْ مِن دِينِكُمْ فَلاَ تَخْشَوْهُمْ وَاخْشَوْنِ الْيَوْمَ أَكْمَلْتُ لَكُمْ دِينَكُمْ وَأَتْمَمْتُ عَلَيْكُمْ نِعْمَتِي وَرَضِيتُ لَكُمُ الإِسْلاَمَ دِينًا فَمَنِ اضْطُرَّ فِي مَخْمَصَةٍ غَيْرَ مُتَجَانِفٍ لِّإِثْمٍ فَإِنَّ اللّهَ غَفُورٌ رَّحِيمٌ

(Q 5 : 3)

ホゥッリマツ アライクム アルマイツァツ ワッダム ワ ラフム アルヒンゼィーリ ワマー ウヒッラ リガイリ アッラーヒ ビヒ ワ アルモンハニカト ワ アルマオクゥザト ワ アルモツラッディアト ワ アンナティーハツ ワマー アカラ アッサブウ イッラー マー ザッカイツム ワマー ズビハー アラ アンノスビ ワアン ツァスツァクセィムー ビルアズラーミ ザーリコム フィスクン アルヤウマ ヤイサ アッラゼィナ カファロー ミン ディーニコム ファラー タクショーホム ワクシァウニ アルヤワマ アクマルツ ラコム ディナコム ワ アツマムツ アライクム ニアマティーワ ラディーツ ラコム アルイスラマ ディナー ファマン エドトッラ フィ マカマサツィン ガイラ ムツァジャーニフィン リ イスミン ファインナ アッラーハ ガフールン ラヒームン

あなたがたに禁じられたものは、死肉、(流れる)血、豚肉、アッラー以外の名を唱え(殺され)たもの、絞め殺されたもの、打ち殺されたもの、墜死したもの、角で突き殺されたもの、野獣が食い残したもの、(ただしこの種のものでも)あなたがたがその止めを刺したものは別である。

また石壇に犠牲とされたもの、籤で分配されたものである。これらは忌まわしいものである。

今日、不信心な者たちはあなたがたの教え(を打破すること)を断念した。

だからかれらを畏れないでわれを畏れなさい。

今日われはあなたがたのために、あなたがたの宗教を完成し、またあなたがたに対するわれの恩恵を全うし、あなたがたのための教えとして、イスラムを選んだのである。

しかし罪を犯す意図なく、飢えに迫られた者には、本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。

Prohibited to you are dead animals, blood, the flesh of swine, and that which has been dedicated to other than Allah, and (those animals) killed by strangling or by a violent blow or by a head-long fall or by the goring of horns, and those from which a wild animal has eaten, except what you (are able to) slaughter (before its death), and those which are sacrificed on stone altars, and (prohibited is) that you seek decision through divining arrows. That is grave disobedience. This day those who disbelieve have despaired of (defeating) your religion; so fear them not, but fear Me. This day I have perfected for you your religion and completed My favor upon you and have approved for you Islam as religion. But whoever is forced by severe hunger with no inclination to sin - then indeed, Allah is Forgiving and Merciful.

ー

قُل لاَّ أَجِدُ فِي مَا أُوْحِيَ إِلَيَّ مُحَرَّمًا عَلَى طَاعِمٍ يَطْعَمُهُ إِلاَّ أَن يَكُونَ مَيْتَةً أَوْ دَمًا مَّسْفُوحًا أَوْ لَحْمَ خِنزِيرٍ فَإِنَّهُ رِجْسٌ أَوْ فِسْقًا أُهِلَّ لِغَيْرِ اللّهِ بِهِ فَمَنِ اضْطُرَّ غَيْرَ بَاغٍ وَلاَ عَادٍ فَإِنَّ رَبَّكَ غَفُورٌ رَّحِيمٌ

(Q 6 : 145)

クル ラー アジドゥ フィーマー ウーヒア イッライィ ムハッラマン アラー ターイィミン トュアァムフー イッラー アン ヤクーナ マイツァツァン アウ ダンマン スフューハン アウ ラフマ ヒィンゼーリン ファインナホゥ リジュスン アウ フィスカン ウヒッラ リガイリ アッラーヒ ビヒ ファメン エッドトッラ(ファマントュッラ) ガイラ バーギン ワラー アーディン ファインナ ラッバカ ガフールン ラヒーム

言ってやるがいい。

「わたしに啓示されたものには、食べ度いのに食べることを禁じられたものはない。只死肉、流れ出る血、豚肉―それは不浄である―とアッラー以外の名が唱えられたものは除かれる。だが止むを得ず、また違犯の意思なく法を越えないものは、本当にあなたの主は、寛容にして慈悲深くあられる。」

Say, "I do not find within that which was revealed to me (anything) forbidden to one who would eat it unless it be a dead animal or blood spilled out or the flesh of swine for indeed, it is impure or it be (that slaughtered in) disobedience, dedicated to other than Allah . But whoever is forced (by necessity), neither desiring (it) nor transgressing (its limit), then indeed, your Lord is Forgiving and Merciful."

وَعَلَى الَّذِينَ هَادُواْ حَرَّمْنَا كُلَّ ذِي ظُفُرٍ وَمِنَ الْبَقَرِ وَالْغَنَمِ حَرَّمْنَا عَلَيْهِمْ شُحُومَهُمَا إِلاَّ مَا حَمَلَتْ ظُهُورُهُمَا أَوِ الْحَوَايَا أَوْ مَا اخْتَلَطَ بِعَظْمٍ ذَلِكَ جَزَيْنَاهُم بِبَغْيِهِمْ وِإِنَّا لَصَادِقُونَ

(Q 6 : 146)

ワ アラッラディーナ ハードゥー ハッラムナー クッラ ディー ゾフリン ワミナル バカリ ワルガナミ ハッラムナー アライヒム シュフーマフマー イッラー マー ハマラトゥ ゾホゥーラホゥマー アウィルハワーヤ アウ マー イクツァラタ ビアズミン ザーリカ ジャザイナーホゥム ビバギーヒム ワインナー ラサーディクーン

ユダヤの(法に従う)者には、われは凡ての爪のある動物を禁じ、また牛と羊は、その脂を禁じた。

只背と内臓に付着し、または骨に連なった脂は、別である。

これは、かれらの不正行為に対する応報で、われは本当に真実である。

And to those who are Jews We prohibited every animal of uncloven hoof; and of the cattle and the sheep We prohibited to them their fat, except what adheres to their backs or the entrails or what is joined with bone. By that We repaid them for their injustice. And indeed, We are truthful.

(Q6:146)に関するものとして、ユダヤ教の『旧約聖書レビ記「申命記（しんめいき）」』から
11:2 イスラエルの民に告げてこう言いなさい。地上のあらゆる動物のうちで、あなたたちの食べてよい生き物は、
11:3 ひづめが分かれ、完全に割れており、しかも反すうするものである。
11:4～6（省略）らくだ、岩たぬき、うさぎは汚れたものである
11:7 豚（いのしし）はひづめが分かれ、完全に割れているが、全く反すうしないから、汚れたものである。

11:8 これらの動物の肉を食べてはならない。死骸に触れてはならない。これらは汚れたものである。

反芻（はんすう、rumination）

ある種の哺乳類が行う食物の摂取方法。まず食物（通常は植物）を口で咀嚼し、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する、という過程を繰り返すことで食物を消化する。

こんにち、イスラム学者たちの間でも色々と議論が出ています。

古代エジプトでも豚は家畜として飼育され、食用にされていたことが壁画に描かれています。

飼育者は一般市民より身分の低い賎民の役目とされてきたため、「豚」を食べることは地位の低い人のすることだという説や、豚は群がって交尾をしたりする本能も持っているので、ムスリムたちにとってはふしだらだから禁じたという説もあります。

しかし、これらはあくまでも「説」であって、確定した答えではありません。

科学的根拠で「豚」がいかに不浄とされているか、紐解いていくと、クルアーンが出来た時期には「科学」なんてなかったのにどうやってわかったのだろう？と思うことがいくつかあります。

豚は実は綺麗好きなのですが、様々な感染症（伝染病）を媒介することで知られています。

有名な豚インフルエンザもその一つです。

何故なら、豚は雑食性の動物で、植物と動物の双方を食べますが、昆虫の死骸、ミミズ、樹皮、腐敗した死肉、生ごみ、、人糞も食べたりします。（後進国で放し飼いしている所は大抵そうです）

また豚には汗腺が非常に少ないため、体内の毒素を完全に排泄することが出来ません。

そのため、様々なウイルスの温床となってしまう。

昔は生食だったり、十分に加熱調理が出来ず、そのまま食することが普通でしたので、旋毛虫の引き起こす旋毛虫症や、トキソプラズマによるトキソプラズマ症などの感染症が広まった。

特に、妊婦が生豚肉を食べると流産を引き起こしたりしていた。

昔の人は、まさか「豚」が原因とは考えていなかったと思われます。

嚢虫症
豚の条虫である有鉤嚢虫によって引き起こされる感染症。
豚に寄生する条虫は世界中で発見されますが、近代的な先進国においても発生することがあります。
旋毛虫症
旋毛虫という線虫の幼虫に感染した肉を、生もしくは生煮えのままで食べた時に引き起こされる。

感染は野生の肉食動物において最も頻繁に起こりますが、家畜の豚にも発生することがあります。

伝染性の旋毛虫の嚢胞を含む食肉を人が食べた場合、胃液が嚢胞の殻を溶かし、旋毛虫が開放される。

アッラーは、私たちを守るために「豚」から遠ざけてくれたともいえます。

しかし、大事なことは「～と考えられる」ということや、科学的根拠があっても、クルアーンに書いてあることはそれとは同じかどうかもわからないということです。

おかしな話だと思いますが、「解釈」はあくまでも「解釈」であって、それらが100％正解だとか正しいとは限らないということを常に頭の中に入れて欲しいと思います。

もし、皆さんがイスラーム的にこれはどうだろう？と思われた時には、お近くのムスクやイスラームに大変詳しい方にどうぞ直接お尋ねください。

もしも、知らないうちに、または誤って豚肉を消費してしまった場合、そこに罪はありません。

アッラーは、知識なく、または意図的でなく、あるいは忘れて犯してしまった過ちに対して、懲罰を与えることはありません。

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さて、今日はここまでにしましょう。

وعليكم السلام و رحمه الله و بركاته　

ワッサラームアライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ

アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように。

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