マンサフ
アッサラーム アレイクム。
ヨルダン南部の田舎暮らしをしている佳子です。
ラマダーンはいかがお過ごしでしょうか?
皆様にアッラーからの祝福とご加護ありますように。
ここヨルダンはだんだん猛暑になり、連日の日中気温は30度を超えてます。
明日は34度の予報なので、断食が厳しくなりそうです。
でもこちらの方は、「ラマダーンは夏が一番適してる。」と言います。
きっと貧困層の方の気持ちがひしひしと実感するのでしょう。
それと乾ききった喉を潤す一口の水の有難さが、心底より感謝の気持ちで一杯になります。
イフタールを小さくなった胃に合わせ少量に食べていくと確実に体重が減量されます。
斎戒は精神や身体ためにアッラーの英知が満載です。
さて今回はサウジアラビアやレバノンなどにはないヨルダンの代表料理「マンサフ」をご紹介いたしましょう。
最高級のおもてなし料理で、特に羊の頭付きは最上なんです。
きっと遊牧民は家畜を飼ってたので、なにかおもてなしをしたいときには羊を捌いていたのでしょう。
そう言えばモンゴルなどにも同じような料理があるそうです。
私たちは以前日本の牧場で暮らしていました。
(夢はハラール牧場を作ることでしたが、約25年前のこと。断念しましたが。)
大量の牛乳があるので、自分たちでヨーグルトやチーズ、バターを作ってました。
もちろん今回のメイン食材であるジャミードも作ってました。
その頃、業者専用のチーズ専門紙が毎月送られてきたのですが、なんと「チーズの元祖、乾燥ヨーグルト!」とジャミードが紹介されていたのを見て驚きました。
確かに古い伝統的な保存食とは思ってましたが、そんなに最古のものだとは想像もしてませんでした。
遊牧民の食ですので昔は全粒粉のホブズ(薄いパン)と食べていたそうです。
聞いた話ですが、あるヨーロッパ人がヨルダン滞在されて、野菜のないマンサフばかり食べてるのを見て、「なんて不健康だ!短命に違いない!」などと感じながら帰国したそうです。
時が経ちまたその家庭を訪問すれば、なんと皆全く健康で長寿が多い事に驚愕され、アッラーからの英知に覚醒し、ついにはムスリムになったそうです。
野菜がなくても全粒粉のパンと内臓も一緒に料理すれば栄養が満たされるとどこかで読みました。
この料理は本当に遊牧民のためのものだと確信してます。
マンサフ談義は止まりませんので、そろそろレシピを紹介しましょう。
写真はラマダーンの招待客用のものですので、量は多め、材料もこちらのものを使ってます。
トルコや日本在住でもサッとできる作り方を姑から教わりましたので、味は少し異なりますがご紹介いたします。
「マンサフ」(4人分)
〈材料〉
骨付き羊肉または鶏肉 800g (1人モモ肉1本)
ジャミード 小さめ1個(約300g)
熱湯(ジャミードを浸水させるため) 700cc
カルダン(少しつぶす) 5粒
玉ねぎ 中1/4個
ご飯 米 3合
塩 小さじ1
サラダ油 大さじ1
サム二もしくはバター 小さじ1
付け合せ フライドしたナッツ(松の実やアーモンド)大さじ2
パセリ (お好みで)
シラーク(薄いパン) (お好みで)
〈作り方〉
1) 肉と玉ねぎを1ℓの水で柔らかくなるまで煮る。
2) Aジャミードをハンマーでたたいて砕く。
熱湯を注ぎふやかす。
水ごとミキサーにかけ、ザルで濾す。
3) それを1)に少しずつ流し入れ, 沸騰するまでかき混ぜる。
沈澱すると焦げるので要注意!
カルダモンを入れ30分ブクブクさせながら煮る。
味見をし、水とジャミード(または塩)で加減する。
火を止めたら蓋はしないで置く。
4) ピラフを作る。
違う鍋に油で米を炒め塩と水を入れ炊く。
強火5分、中火10分、弱火5分、火を止めサムニ(バター)を入れ蒸す。
5) 大皿にシラークを敷きピラフを平らに盛る。
スープから肉のみを取り出し、ピラフの真ん中に置く。
刻んだパセリとローストしたナッツ類を振り飾り完成。
6) 2)のスープの残りはザルでこしながら深皿に入れ、 お好みでサムニ(バター)を小さじ半入れ食卓へ。 たまねぎやネギを添えても良い。
【ジャミードの代用】
上記の、2) ジャミードの代わりにヨーグルト500g、塩小さじ3、コーンスターチ大さじ1、水1カップをミキサーにかける。
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