覚えておくと良いムスリムキーワード(20)

السلام عليكم و رحمه الله و بركاته 

アッサラーム アライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ

アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように

كيف حالك؟

今日は、ハディース(الحديث)の中から、ウワイス・アルカラニーという人の事をお話します。

その前に、「ハディース」について少し長い説明を書きました。

ハディース(الحديث)

預言者ムハンマド様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の言行録、また預言者について報告された事実だけでなく、それを文字で書きつけたものも集めた。

預言者の慣行記録(スンナ)がハディースに言及されていない場合もいくつか見られ、預言者が何か云ったり行動した事を見聞した教友は、それを他の人に伝え、さらにそれを聞いた人は次々と他の人々に伝えた。

例えば「神の使徒はこのように云われたとウマル・ブン・ハッターブが云ったのをCが聞き、それをまたCからBが聞いたとAが云っている…」という感じです。

現代では権威あるハディースの教典が多く印刷されている。

ハディースはすべてその伝承者と同時に、それを裏づける内容が伴わなくてはならないので、「ハディース学」の研究が昔から続いていますが、スンナ派とシーア派の両方を取り入れた(比較した)研究はまだありません。

しかしながら、スンナ派のみ、シーア派のみとそれぞれ研究されています。

スンナ派で最も権威あるハディース集は『ブハーリー正伝集』です。

スンナ派のHPでは古典ハディース学に準拠し、ブハーリー版の伝承経路の中で、ハーリド・ブン・ムハッラドにシーア派的傾向があったとして、伝承者としての信憑性に疑問を呈しています。

スンナ派は『ブハーリー正伝集』が集録するハディースは全て真性、とみなしますが、ハディースの専門家の間では、個々のハディースの信憑性については徒に神聖視せず今日に至るまで議論が続いています。

【参考リンク】

聖クルアーンとハディース
(コーランとハディース)
ハディース(預言者ムハンマドの言行録)


ウワイス・ブン・アーミル・アルカラニー (أويس بن عامر القرني‎)

預言者ムハンマド様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)と同時代の人、彼とは残念ながら相まみえることはありませんでした。

またタービイーン(サハーバを見て、イスラームを信じて亡くなった人)でもあります。


ウマル・ブン・ハッターブ(عمر بن الخطاب) (アッラーのご満悦あれ)

初期イスラーム共同体(ウンマ)の指導者の1人で、第2代正統カリフ(在位634年 - 644年)
サハーバたち(アッラーのご満悦あれ)の中でも最も敬意のある方の1人

アリー・ブン・アビー・ターリブ(عليّ بن أبي طالب) (アッラーのご満悦あれ)

第4代正統カリフ(在位656年 - 661年)で、シーア派の初代イマーム
サハーバたち(アッラーのご満悦あれ)の中でも最も敬意のある方の1人

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が、こうおっしゃるのを聞きました。

「あなた方の所にウワイス・ブン・アーミルが、イエメンの住民からなる支援部隊と一緒に、ムラード族のカラン支族からやって来るだろう。かつて彼は癩病(らいびょう)に罹っていたが、今は完治し、ディルハム銀貨大の跡がある。彼には母親がおり、彼女にとても尽くしている。もし彼を見たら、彼に、あなた方のために赦しを乞ってくれるよう頼みなさい。そうすれば、アッラーがあなた方を赦してくれるでしょう。」

ウマル様とアリー様(お二人にアッラーのご満悦あれ)は、10年間、ハッジの時期になると、イエメンからの巡礼者たちを食事に招きましたが、ウワイス様をなかなか見つけることはできませんでした。

翌年、ウマル様(アッラーのご満悦あれ)が、イエメンの巡礼団の長に尋ねました。

「この食事会に来ていない者はいますか?」

すると、彼はこう答えました。

「いいえ、ただラクダの世話をするものぐさな牧童だけです。」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は言いました。

「赤褐色の髪で有名な男はいますか?」

すると、彼はこう言いました。

「まるで彼のことを知っているようですね、信者たちの長よ。」

他の伝承では、「ただの頭のおかしい男だけです。」「一族の人々は彼のことを何の価値もない人として、からかっては、嘲笑していた」とも書かれています。

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が、二人に赦しを乞ってもらうように頼みなさい、と命じたほどの方が、人々の間では、ただのものぐさな頭のおかしい男、としか認識されていなかったのです。

ウマル様とアリー様(アッラーのご満悦あれ)は、彼の元へ急ぎました。

そして彼を見つけると、こう言いました。

「どなたですか?」

すると、彼は 「ラクダの牧童、雇われ人です。」と答えました。

二人は言いました。

「私たちはそれを聞いているのではありません。あなたのお名前は?」

彼は言いました。

「アブドゥッラー(アッラのしもべ)です。」

アリー様(アッラーのご満悦あれ)が言いました。

「私たちは、天と地にある者はすべてアブドゥッラー(アッラーのしもべ)だということは知っています。あなたの母親が名付けた名前は何ですか?」

彼は言いました。

「二人よ、あなた方はどなたですか?私に何を期待しているのですか?」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)が言いました。

「私はウマル・ブン・ハッターブ、彼はアリー・ブン・ターリブです。」

すると彼は跳び上がって言いました。

「イスラームに関して、あなた方にアッラーが善き報償をお与えくださいますように。信者たちの長よ、そして、アッラーの使徒の家系の御方よ。あなた方にお会いできるなんて光栄です。私にはもったいない。」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)が言いました。

「ウワイスよ、預言者様のことをどう想像しますか?」

彼は言いました。

「彼を地平線に満ちた光だと思い描きます。」

すると、ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)を思い出し、泣き出しました。

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は言いました。

「ウワイスよ、預言者様は、私たちに、あなたに赦しを乞ってもらい、私達のためにドゥアーをしてもらうよう命じました。」

彼は言いました。

「私は特に誰かのためにドゥアーは、しませんが、皆のために(しましょう)。」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は言いました。

「ウワイスよ、私に忠告してくれ。」

彼は言いました。

「信者たちの長よ、アッラーへの崇拝において、アッラーのご慈悲を求めてください。彼への背徳において、罰を恐れてください。そして、彼への期待を決して中断しないように。」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は言いました。

「あなたに贈り物をしてもいいでしょうか。」

彼は言いました。

「信者たちの長よ、この稼ぎで4ディラハムを得ました。一族の保護もあります。私はこれ(4ディラハム)さえ、いつ使えるのか(使うまで生きているでしょうか)。また、上着と腰巻もあります。これにいつ穴が開くのか(穴が開くまで生きているでしょうか)。信者たちの長よ、私たちの前方には、乗り越え難い障害があります。それは、身軽で弱い者しか超えることのできません。」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は泣きだしました。

そして、言いました。

「ウマルの母が、ウマルを産まなければよかった。ウワイスよ、私たちの元に残ってくれないか?」彼は言いました。

「クーファに行きます。」

ウマル様(アッラーのご満悦あれ)は言いました。 

「クーファの者に、あなたのことを手紙で知らせよう。」

彼は言いました。 

「私は、大衆の中にいるのを好みます。」

その後、ウワイス様の消息は絶たれました。

数年後に、ハリム・ブン・ハイヤーン(アッラーのご慈悲あれ)が彼に会うまで。

ハリム・ブン・ハイヤーンは、こう言いました。

「私はウワイスに会いました。彼はユーフラテス川の岸辺に、足を延ばして座っていました。私が彼に挨拶すると、彼は挨拶を返しました。私は、”ウワイス・ブン・アーミル・アルカラニーですか?”」と尋ねました。

彼は、「あなたは、ハリム・ブン・ハイヤーンですね」と。

「どうして、私を知っているのですか?」とさらに尋ねました。

「ハリムよ、アッラーを知った者は全てを知っています。」

私は彼に何かアドバイスを、と頼みました。

そして、「あなたに付き添ってもいいですか?」と尋ねました。

彼は、「いや、インシャアッラー、アッラーの御使い様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のハウド(泉)で会いましょう。」と答えました。

その後、彼を見ることはありませんでした。

スィッフィーンの戦いで、アリー様(アッラーのご満悦あれ)の軍につき、殉教死されるのをみるまで。


預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、大切なことを教えてくださっています。
ドゥアーを自分より年下の人にも年上の人に頼むこと。

また、人に対する良い見方をすることです。

◆自分が人々の間でどんな風に尊敬されているか
◆自分の外見や自分がどれだけ人に好かれているかで、自分の価値を決めること

それらは、アッラーの元では何の価値もなく意味のないものです。

外見や人の評価だけでは、その人の本当の価値はまったくわかりません。


上のハディースは、エジプトで学んだことですが、ダマスカス留学生有志による情報ブログの中の「ハディース検索サヒーフ・ムスリム」の第三巻にあります、『ウワイス・カラニー(注)の美徳』も参考としてご覧下さい。

日本ムスリム協会に、「サヒーフムスリム(全3巻)」や「200のハデイース」があります。

ウワイス様に関する廟は、イラン、シリア、カラカルパクスタン共和国とあちこちありますが、シリアのラッカ市にあったウワイス・カラニー廟は2014年に破壊されています。

カラカルパクスタン共和国(ウズベキスタン)にあるものについては、東海大学の春田教授の非公式ブログにありますのでどうぞ。→ウワイス・カラニー廟とヌクス市のお墓

Photo : Alexandria اسكندريه (Egypt) 

さて、今日はここまでにしましょう。

 وعليكم السلام و رحمه الله و بركاته

ワッサラームアライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥ

アッラーの慈悲とアッラーの祝福がありますように。


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